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PNC TJ1308 97-002, 297 Pages, 1997/02
本文献集は、報告書の巻末に示した参考文献のうち特に報告書の論旨に影響するものを収録したものである。なお、参考文献リストに記載され本文献集に収録していないものは、1989年度の報告書「火山ガラス及びベントナイトの長期変質挙動に関するナチュラルアナログ研究(I)「(PNC SJ4308 89-001)、1990年度の報告書「火山ガラス及びベントナイトの長期変質挙動に関する調査(PNC SJ-4308 90-001)、1991年度の報告書「火山ガラス及びベントナイトの長期変質挙動に関する調査(PNC SJ-1308 92-001)、1992年度の報告書「火山ガラス及びベントナイトの長期変質挙動に関する調査」(PNC SJ-1308 93-001)、1993年度の報告書「火山ガラス及びベントナイトの長期変質挙動に関する調査研究(VII)」(PNC SJ-1308 94-001)、1994年度の報告書「火山ガラス及びベントナイトの長期変質挙動に関する調査研究(VIII)」(PNCSJ-1308 95-002)そし て1995年度の報告書「火山ガラス及びベントナイトの長期変質挙動に関する調査研究(IX)」(PNC SJ-1308 96-002)の文献集を参照されたい。
小北 康弘; 湯口 貴史*
no journal, ,
本報告では、北上山地の遠野複合深成岩体において産出するイルメナイトについて、離溶組織の記載及び化学組成分析の結果を報告する。イルメナイトの組成像を取得したところ、低輝度の母相中に高輝度のラメラが認められる。ラメラは、イルメナイトの長軸方向に平行に配列しており、高倍率の観察によると、丸みを帯びた境界を有し比較的大きなラメラ(Type-1)や、シャープな境界を有するサブミクロンサイズのラメラ(Type-2), Type-1ラメラ中に分布するさらに小さなスケールのラメラ(Type-3)が存在することを見出された。このような多段階の離溶組織は、マグマ溜りの冷却過程において生じるものであり、その詳細な化学組成分析は、結晶質岩体が経験した温度時間履歴や酸化還元状態の変遷をより高精度に解明することを可能にすると考えられる。なお、本研究で使用した岩石試料は、発表者が大学在籍時に取得したものである。
小北 康弘; 加藤 丈典*; 湯口 貴史*
no journal, ,
珪長質マグマの地殻への貫入から定置、固化の間に生じる種々のマグマ溜りプロセスは、石英などの初生鉱物の結晶成長の履歴として記録され得る。石英の結晶成長プロセスは、そのカソードルミネッセンス(以下、CL)像観察やチタン濃度定量を行うことで明らかにすることが可能となりつつある。しかし石英中にはチタンの他にも微量に含まれる元素が知られており、その含有量とCLパターンとの関係や、結晶成長の様式との関連については明らかにされていない。そこで本研究では、石英中のチタン濃度・アルミニウム濃度とCLパターンとの関係を明らかにすることを目的として、マグマ起源の石英についてCL像観察とチタン濃度・アルミニウム濃度定量を実施した。また、本研究では電子線マイクロアナライザを用いて石英中のチタン濃度とアルミニウム濃度を同時に定量する技術の構築を目指した。北上山地、遠野複合深成岩体(以下、遠野岩体)の石英に対してCL像観察を行った結果、多くの自形・半自形粒子では、結晶成長様式を推定可能なゾーニング(パターンA)が、他形粒子では、粒子内の局所的な領域のみ高輝度なCLを有する傾向(パターンB)が認められた。遠野岩体の石英のアルミニウム濃度は、ほとんどの分析点で検出限界以下となり、CLとアルミニウム濃度に相関が無いと判断できる。チタン濃度はCLパターンA、BともにCLの輝度に対応したチタン濃度が得られた。チタン濃度から地質温度計を用いて石英の結晶化温度を導出したところ、サンプル(岩石採取地点)ごとの傾向の相違が認められることから、得られた温度に基づいてマグマ溜り内の温度の不均質性を議論可能である。